@article{oai:mukogawa.repo.nii.ac.jp:00000748, author = {竹本, 由美子 and TAKEMOTO, Yumiko and 奥野, 温子 and OKUNO, Tsumuko and Takemoto, Yumiko}, issue = {2}, journal = {生活環境学研究}, month = {Sep}, note = {“麻”は,高温多湿の日本において,今では夏用衣料の代表的な素材となっているが,かつては庶民の布として四季を通じて着用されていた。綿の栽培技術が発達し木綿が麻同様に安価になるまでは,真冬の寒い時期にも重ね着をしたり刺し子や袷にするなど,麻は様々な工夫を凝らして用いられていたのである。一方,奈良の正倉院の宝物の中には,庸布として献納されたとされる麻布が所蔵されている。庶民の布であった麻布は,税の対象となったことで生産技術が磨かれ,麻の中でも細い糸で柔らかい上等の麻布を織れることから苧麻の栽培地も増大 し,麻布の生産地も多くなり,献上品となる上等の麻布が各地で織られるようになった。その後,戦国時代においても,麻は鎧兜の裏地や陣幕などの素材としても欠かせず各藩で生産が奨励され,着心地の良い麻織物が武士や上流階級に愛用された。 そして,江戸時代になると上等の麻布は「上布(じょうふ)」 と言われるようになり,各産地において越後上布,近江上布,薩摩上布,能登上布,奈良上布等と呼ばれるようになった。 この数ある上布の中でも,最初に日本の重要無形文化財に指定されたのが,越後上布に“縮(シワ)”加工を施し,麻の硬い風合いに独特の柔らかさをあたえた「越後縮」,今の「小千谷縮・越後上布」である。しゃりっとした感触と冷やりとした 涼しさを備えた小千谷縮は,湿気の多い我が国において古くから好まれ,その技法を守り引き継がれた伝統工芸品としての価値は,賞賛されるべきものである。 しかし,日本の衣生活の洋装化につれて,その需要は減少の一途を辿り,趣味的に一部で賞用されるのみで,若い世代にはあまり知られていないのが現状である。今後は,伝統工芸品が本来持っている性能を活かしながら,新たな価値提案をおこなうことで新しい魅力あるものを創りだし,顧客層のすそ野を広げていくことが求められる。その一つの試みとして,地場産業 の発展に取り組む企業によって,小千谷縮を取り入れた軽くて豪華な花嫁の打掛と,小千谷縮を惜しみなく使用し,その張り がデザインに見事に生かされたウェディングドレスがこの程完成をみたので注目した。これらは,伝統工芸のもてる長所を遺憾なく発揮して,ブランド価値を再構築する上で一役を担うもので,日本文化への理解を浸透させる上でも大いに期待されるものである。また一方では,近年の猛暑が続く中で,節電とエコに貢献し,夏を快適に過ごす工夫として小千谷縮のシーツへの利用や,インテリア素材としてすでに上市されている。 本稿では,小千谷の雪国文化の特質を活かした技法によって製作された小千谷縮の特性を,実験によって評価した。さらに,その特性や独特の風合いを活かしつつ,これまでと異なった小千谷縮の魅力を引き出し,現代生活に適合した新たな可能性を示すものとして,花嫁衣装への試みを紹介するとともに, 小千谷縮のブランド的価値を被服材料の視点から解説する。}, pages = {30--35}, title = {小千谷縮の魅力}, year = {2014}, yomi = {タケモト, ユミコ and オクノ, ツムコ} }